澤井建設(株)サワケンホーム

代表取締役社長  澤井 斉


私は子供の頃から物造りが好きだったので、大工という職業を選びました。30年以上も前のことですが、技能五輪の大工部門で全国大会に出場し三位の成績を頂きました。これは私の勲章でもあります。ですから当時は、自分の持てる技を生かし、和風建築ばかり手がけていました。

私が最初に大きく方向転換したのが、真冬の札幌での高気密高断熱住宅との出会いでした。冬寒くて当たり前の住宅ではなく、家中快適で結露の少ない住宅こそが人に優しく、家も長持ちするのだとわかりました。私は、それ以降、約20年、全ての住宅を高気密高断熱で建ててきました。もちろん、この思想は今のレンガ積みの家にも受け継がれています。

高気密高断熱の家ですが、唯一、通常の家と変わらないところがありました。それは外壁材です。今でも外壁材はサイディングや板金が主流ですが、いずれ劣化することは避けられません。割れが発生するなどのクレームも多く頂きました。外壁材は住宅の中では最も大きな問題だと思っていました。そんな時に長野で出会ったのが、レンガ積みの家でした。

レンガはヨーロッパやカナダ、オーストラリアなど世界各地で普通に使われているもので、その素晴らしさは正に歴史が証明しています。メンテナンスはほとんど不要なのですが、一番驚いたのは、夏の涼しさです。私は快適な家を造ってきた自負がありましたが、正直レンガの涼しさは今までと比較にならないほどでした。この時初めて断熱材だけでは夏の快適空間は造りだせないのだと気づかされました。そして私は、レンガ積みの家をやっていこうと決意したのです。

レンガ積みの家をスタートして10年以上が経ちました。レンガと無垢材でつくる家は、本当に永く住める家だと思います。私は、将来、何十年も経ったレンガ積みの家を見ることを楽しみにしています。ご興味のある方は是非一度、レンガ積みの家をご覧ください。そこには、文章や写真でも伝わらないものを必ず感じていただけるはずです。

天狗平山荘もレンガ積みになりました。

2012年、標高2300mの立山に建つ天狗平山荘の外壁をレンガ積みに改装しました。瞬間風速60mもの強風が吹くこの場所でも揺れることが無いそうです。また、以前は5台のストーブでも暖まりにくかったとのことですが、半分以下の2台に減らしても快適に過ごせるようになったそうです。厳しい環境の中でもレンガ積みの良さが証明されました。